ツヤハダゴマダラカミキリ

Anoplophora glabripennis (Motschulsky)

体長|20~35ミリ

時期|5~10月

レア度|-

RDBカテゴリー|なし

環境|植林地・果樹園・公園・市街地、住宅地(街路樹・庭木)

分布|本州(外来種)

1. 2022.07 埼玉県

2. 2022.07 埼玉県

3. 2022.07 埼玉県

4.産卵痕

5.羽脱孔

6. 2022.08 福島県

7.在来種との識別点

中国・朝鮮半島などが原産の外来種のカミキリムシ。在来種のゴマダラカミキリによく似ているが、本種は上翅基部に顆粒状突起を欠き、ツルツルしている事などから区別する事が出来る(写真7)。2002年に神奈川県横浜市で確認されたが、これは2004年までに根絶に成功した。しかし、2020年に兵庫県で発生しているのが確認され、その後は宮城県・福島県・茨城県・埼玉県・富山県・愛知県・山口県でも相次いで確認された(実際にはそれよりずっと以前に侵入していた事が確認されている場所もある)。物資の輸入に使われる木製の梱包材などに幼虫や蛹が紛れていたことにより国内に侵入し、その後は二次的に拡散したと考えられている。日本のほか、北米やヨーロッパなど世界各地に外来種として分布を広げており、国際自然保護連合(IUCN)が定める世界の侵略的外来種ワースト100にも含まれている。食樹はカエデ属・カバノキ属・ヤナギ属・ハンノキ属・ニレ属・リンゴ属・サクラ属・ナシ属ほか、非常に多くの樹木を利用することが報告されている。日本では主にカツラ・アキニレ・トチノキに見られ、樹皮や葉を後食したり、交尾・産卵する姿が観察され、幼虫はこれら樹木内部を激しく加害するため、街路樹を枯らす等の被害をもたらしている。在来種のゴマダラカミキリは根際に産卵するが、本種はより高所に産卵し、高いところから集中して加害するという。2023年、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されたため、飼育・販売はもちろん、生きたままの移動も禁止されている。