フサヒゲルリカミキリ

Agapanthia japonica Kano

体長|15~17ミリ

時期|6~8月

レア度|★★★★★

RDBカテゴリー|CR

環境|草原・湿原

分布|北海道・本州

1. 2009.07 長野県

2 2009.07 長野県

3. 2009.07 長野県

4. 2009.07 長野県

5.ユウスゲ

6.生息環境 2009.07 長野県

7. 2009.07 長野県

8. 2009.07 長野県

草地性のカミキリムシで、上翅には紫藍~緑藍色の金属光沢があり、ピンクがかった縞模様の触覚には房状の毛束までそなえている、お洒落で美しい種。生息地はごく限られ、個体数も少ない。日本固有種。高地草原のユウスゲに集まり、葉や花茎を後食するほか、メスはその花茎に産卵する。成虫は日中活発に活動し、草地上を直線的に低空飛行してユウスゲ間を移動する。開発による生息地の消失、乾燥化、シカの食害によるユウスゲの減少のほか、採集圧の影響も大きく、減少の一途をたどっており、絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されている。北海道では近年全く記録が無く、本州でも長野県と岡山県のごく一部でしか生息が確認されていない。岡山・長野では各県の希少野生動植物保護条例により採集が禁止され、保全が行われてきたが、近年は長野県でも生息が確認されていないという。2016年には、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」で、国内希少野生動植物種に指定されたため、日本のどの地域でも採集する事は出来なくなったうえ、標本等の販売や譲渡も禁止されている。この魅力溢れるカミキリムシがいつまでも日本で見られる事を願わずにはいられない。