ホシベニカミキリ

Eupromus ruber Dalman

体長|18~26ミリ

時期|5~8月

レア度|★★★☆☆

RDBカテゴリー|なし

環境|森林・防風林・公園・街路樹

分布|本州・四国・九州・隠岐・対馬・壱岐・伊豆大島・式根島・新島・屋久島・種子島

1.タブの枝で交尾する個体

2.タブの葉を後食する♀とマウントする♂ 2007.06 千葉県

3. 2011.06 千葉県

4. 2011.06 千葉県

5. 2011.06 千葉県

6.食痕

温帯樹林帯に生息し、特に沿岸部の防風林や公園などに多く、タブノキ・ホソバタブ・ヤブニッケイ等のクスノキ科植物の生木に集まる。とりわけタブを好み、同じ木に複数匹が集まっている事も多く、葉や枝を後食する姿が見られる。産卵もそれらの生木の太めの枝に行われ、この時に樹皮表面を楕円形にかなり大きく削るため(写真3写真4写真5)、本種を見つける手掛かりとなる。日中も活発に活動し、後食や産卵のほか、飛んでいる姿もしばしば見られる。

まるで赤いゴマダラカミキリのようないでたちで、探そうと思って探さないと見つからない、しかし、身近にいるからたまに変な所で見つかったりする。昆虫に興味のない人が見つけると、「とても珍しい昆虫なのでは!?」と、思わずにはいられない。実際、自分も子供の頃は、数年に一度、たまたま地面に落ちている個体を拾ったり、はたまた、自分が昆虫好きだという事を知っている人が届けてくれたりと、滅多にお目にかかれない幻のカミキリムシという認識で、出会えた時は本当に嬉しかった。しかし、実際は本種が集まる木、すなわち、タブノキさえ分かってしまえば、意外とあっさりと見つかってしまうのだ。それどころか、タブノキの枝に何匹もべたべたとくっついている事もあり、初めてそれを見た時はかなり衝撃を受けたものだった。カミキリムシを探すうえで、そのカミキリが集まる木の種類(=ホスト)を知ることは本当に大切なのだなと、教えてくれたカミキリムシ。