アラメハナカミキリ

Sachalinobia koltzei (Heyden)

体長|12~19ミリ

時期|5~9月

レア度|★★★★★

RDBカテゴリー|なし

環境|森林

分布|北海道・本州

1.針葉樹の立枯れにいた♀

2.針葉樹の立枯れにいた♀

3.針葉樹の立枯れにいた♀ 2007.06 長野県

4.本種が来ていた立枯れの1つ

5.針葉樹の立枯れにいた♀

6.針葉樹の立枯れにいた♀

7.針葉樹の立枯れにいた♂ 2007.06 長野県

8.産卵する♀

9. 2011.07 群馬県

山地の針葉樹林帯に生息し、コメツガ・アカトドマツ・モミ・シラビソ・オオシラビソ・カラマツ等の樹皮が剥げたような古めの立枯れに集まり、そこで交尾・産卵する。訪花例は少ないものの、ナナカマドやノリウツギ等の花に来る事もあるという。生息地での個体数はあまり多くないのがふつうだが、時として大発生する。

その前年、「しかるべき時期に来れば絶対にアラメ(=アラメハナカミキリ)に会える!」と、確信を持てる場所を見つけていた。もともとNさんから別件で教えてもらった場所なのだが、Nさんも同じことを思っていたらしく、アラメの時期になったら一緒に行こうと約束した。それからその時が来るのを今か今かと心待ちにしていたのだが、2007年6月下旬、ついに決行の時がやって来た。

 

採集地にはNさんと共に自分の運転する車で向かったのだが、「早くアラメが撮りたい!」という気持ちが抑えきれていなかったらしく、表情はまるで血に飢えた獣のようで、運転は荒く、かなり怖いことになっていたらしい...。以後、採集地に向かう際に、気持ちが焦る事を「アラメ、アラメ!」と、呼ぶようになった。

 

冗談はさておき、肝心のアラメだが、自分には目をつけていた立枯れがあり、早速その木を見てみると、いきなり交尾しているアラメハナカミキリを発見!思い描いていた通りの光景に、思わず大声でNさんを呼ぶと、驚いたアラメは事もあろうかポトリと幹から落ちてしまった。あああ、何という事だ!慌てて落ちた個体を探し、幸いにも下草にとまっている所を無事に見つけ出せたのだが、それを見たNさんは目の色を変えて、先へと進んで行ってしまった。今度はNさんが「アラメアラメ!」状態に!?

 

自分は、これが最初で最後の個体になるかもしれないと思い、しっかりと撮影してから先へと進んでいくと、暫くして、Nさんが待ち構えていた。聞けば、アラメがめちゃくちゃ沢山いると言う。そんな事があるの?と半信半疑のまま、近くの立枯れに目を向けると、何匹ものアラメハナカミキリが幹を這いまわっているではないか!幸運なことに、この日はアラメの大発生に当たったらしく、思う存分アラメを堪能することが出来たのだった。