オオトラカミキリ

Xylotrechus villioni Villard

体長|21~30ミリ

時期|8~10月

レア度|★★★★★

RDBカテゴリー|なし

環境|モミ林・オオシラビソ林・カラマツ林

分布|北海道・本州・四国

1. 2016.08 山梨県

2. 2016.08 山梨県

3. 2016.08 山梨県

4. 2016.08 山梨県

5.生息環境

6. 2016.08 山梨県

7. 2016.08 山梨県

8. 2016.08 山梨県

9. 産卵する♀ 2007.09 山梨県

10. 2006.09 山梨県

11. 2009.08 山梨県

12. 2009.09 山梨県

日本最大のトラカミキリ。モミ・オオシラビソ・カラマツ等の生木に集まる。普段は樹冠部にいるためなかなかお目にかかれないが、メスは気温が高い日の日中、産卵のために木の低いところまで降りてくるので運が良いと発見できる。オスは下草などにとまっていたり、地面に落ちている個体が稀に見つかる程度で見る機会はほとんど無い。メスの前胸背は金褐色に十字の黒紋をもつが、オス(写真11)では全体が黒化する。

関東の低山の場合、8月下旬から9月中旬、気温が30℃を超える蒸し暑い日の日中、モミの樹幹をひたすら見てまわると産卵に来たメスに遭遇できる。木の太さは関係無く、幹の直径が10センチにも満たない細い木から直径が80センチ以上ある大木まで、生木なら全ての木に可能性がある。午前11時頃から午後17時くらいまでチャンスがある。

 2006年9月。山梨の有名なポイント。そこはオオトラカミキリを狙う多くの虫屋さんで賑わっていた。あまりの人の多さに、自分はそこに入っていくことも出来ず、自力で他のポイントを探す事に...。当てもなく車を走らせていると、幸運にも似たような環境を発見。幸い他の虫屋もおらず、1人黙々とモミの木を見て回った。しかしオオトラカミキリはそんなに甘くない。何も見つけられないまま時間だけが過ぎ、16時を過ぎて日も傾き始めたところでギブアップ。諦めることに...。カメラをバッグにしまい、さて帰ろうかと立ち上がった瞬間、目の前のモミに突如としてそれは現れた。

 

 慌ててカメラを取り出そうとするが、興奮と焦りでなかなかカメラが取り出せない。やっとのことでカメラを取り出し、いざ撮ろうかと思った瞬間、最悪のタイミングで虫屋さんが登場。オオトラカミキリがいたことを報告すると、その虫屋さんは傍らで撮影の様子を伺い始めたではないか!やめてくれ!自分は人に見られていると緊張してしまうのだ!

 

 一日中林内を歩きまわった疲労と、オオトラカミキリを見つけた興奮と感動、さらに虫屋に見られているというプレッシャー...。これらの要因が重なったことで、カメラを持つ手が激しく震え始めた。それを見ていた虫屋さんが「震えてるけど大丈夫?」と声をかけてくる。「(そういうこと言うのやめて~)」余計に緊張して手の震えは尋常でないほどのブレ幅に!!震える手を必死に抑えながら、とにかく写ってくれと、何度も何度もシャッター切り、なんとか撮影したのが写真10である。